平成26年12月26日

 広島土砂災害に直面して

                                         作成者 佐々木和治

広島土砂災害には、社友会の皆さんから心温まる多額の義援金を拠出いただき誠にありがとうございました。被災者になり代わり厚く御礼を申しあげます。また、全国からのボランティアの皆さんに復旧活動にあたっていただきこれが被災者の大きな励みになりました。

さて、私がこの災害で「見たこと」「経験したこと」を以下述べさせていただきます。

◆三入学区の元自主防災会連合会長や避難所(三入小学校体育館)元管理責任者として、緊急事態に備えての心構えは出来ていたのですが、

大規模土砂災害が発生した8月20日は、朝4時前頃、豪雨の足音と雷の交互の爆音に何度か眼が覚めるも、治山ダムが設置されており、熟睡の常備薬を服用していたこともあり、初動反応が鈍っていて「建屋が流されているようよ」との家内の興奮した声で慌てて外に出てみた。

道路は、雨水と山水で20p位の水嵩で濁流となっており、近所の方と道路の洪水対応、谷の排水溝が樹枝の流木の撤去に必死であたる内、夜明けとなり、北側の渓流の治山ダムは、土石流が谷止めを越え流木と共にMさんの別宅を押倒し、市道川東線に流れ溜り軽四乗用車が埋まっていました。

事前通報にて消防車が数時間後に救助にきていました。南側の渓流の治山ダムは、幸い土石流をくい止めていました。後日、谷止抗に上がって見ますに、土石が半分溜り流木の大木が15〜6本浮いておりました。

可部(三入)地区では平成11年度に北側の渓流に、平成13年度に南側の渓流に、広島県の治山事業として1億数千万円を費やして治山ダムを施工設置いただきました。今回の土石流災害で、住宅が1軒倒壊、2軒一部崩壊、2軒屋敷の一部崩壊がありましたが、人災については、かすり傷一つなく不幸中の幸いだったとの住民の声でした。仮に、北・南の両渓流に治山ダムが設置されてなかったら、地区住民16軒の崩壊は免れなかったのではと住民皆さまは胸をなでおろしたものです。北側の治山ダムは土石流をくい止めることが出来ず想定外の豪雨災害となりました。

・・NHKテレビが私の所に早速取材にみえ【NHK広島放送局のお好みワイド911()18201825】で放映された・・・

地区住民が協力して、昼食抜きで朝5時頃から夕方4時半頃まで夢中で道路の土砂堀り(約20p)や駐車場の自動車を移動などあたり、夕方6時にやっと昼食とり、その後、三入小学校体育館へ避難者(約40名)の慰問訪問(お茶ボトル1ケース48本持参)等で自宅の床に就いたのが夜中の1時半。

私は地域の世話係(三入地区社会福祉協議会会長、三入下町屋町内会連合会会長)の立場から、管内(約3400世帯)を夕方にかけて見回り、被害の甚大さを改めて思い知らされました。三入学区の被害は桐原地区と下町屋地区が甚大でした。三入学区の被災状況は、死者2名、家屋の全壊4棟、半壊6棟、一部損壊5棟、床上・床下浸水165棟(納屋等は除く)。

当三入地区は、避難指示が災害の当日から、暫くの期間発令されましたが、私宅が比較的安全な場所にあり、地域のお世話の事務的な仕事が昼間は全くできず、夜間、我が家の書斎に張り付き処理をせざるを得ない為、自己責任で避難対応。多くの住民は、昼間は自宅及び周辺の復旧作業に当たり、夜間は小学校の体育館や親戚及び知人宅に避難する生活が1週間程度続き、地区の誰もが大雨注意報が出ない限り避難指示に従わなくなっておりました。

◆お世話役として、(8月20日〜26日間は三入地区を重点的に地域と区役所の要請調整任務。(8月23〜25日)3日間市道川東線の土石流木の撤去作業に伴う陸上自衛隊〔隊員20名、、車両24台〕受け入れ対応。

三入学区の災害対策本部(ボランティアセンター)は、三入小学校グランドに8月20日開設され、本部の立上げ及び中心的役割は三入学区の自主防災会連合会並びに防犯組合連合会の幹部の皆さんがされ、私は地元の大地地区の対応を優先の為、災害対策本部には8月27日〜(9月1日に三入第一公園に災害対策本部移転も含め)〜9月21日閉鎖まで26日間常駐して災害対策本部長の補佐的役目に加え、三入地区社会協議会会長として全国からのボランティアの受付業務、被災者の心身のケア―の取次(看護士、介護士、司法補佐)案内業務及びサロンの開催取次・社協役員の当番の日程調整等にあたりました。

災害対策本部以外の業務として、三入小学校体育館の生活避難場所に、災害当日の8月20日から、閉鎖になる9月9日までの20日間、毎夜8時〜10時、慰問激励に訪問しました。

◆私事ですが、自分の家屋は直接災害に遭わなかったものの、初体験で、いろいろと気を使い寝不足が影響したのか体重が7s減っていました。

安佐北区地域を起点にボランティ団体・NPO法人・学生ボランティア並びに企業団体など総勢3918名の方々が懸命に復旧にご尽力されました。今回の災害に直面して感じたことは、リハーサルの無い即本番対応であり、あらゆる事を想定した危機管理能力が問われること? また反面 相互扶助の精神と云うか、見返りを求めない、手弁当のボランティアの

皆様のありがたさ、素晴らしさを心中より痛感したことです。
                                                       以上